送迎のヒヤリハットを事故予防に活かす|収集・共有・改善の仕組み

トリニードカイゴ|介護施設の送迎ドライバー管理

 

「ヒヤッとしたけれど、事故にはならなかったから大丈夫」——送迎の現場で、そんな小さな出来事をそのままにしていませんか。実は、その一つひとつのヒヤリハットこそが、重大事故を防ぐための最も重要な手がかりです。この記事では、介護施設の送迎で起こるヒヤリハットを事故予防に活かすために、どう収集し、共有し、改善につなげるかという仕組みづくりを、運行管理者資格を持つトリニードカイゴが現場目線で解説します。

ヒヤリハットとハインリッヒの法則

ヒヤリハットとは、事故には至らなかったものの「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした出来事のことです。この重要性を示すのが、労働安全の分野で広く知られるハインリッヒの法則です。

これは、アメリカの損害保険会社の安全技師ハインリッヒが提唱した経験則で、1件の重大な事故の背後には、29件の軽微な事故と、300件のヒヤリハットが存在するとされています。「1:29:300」の法則とも呼ばれ、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」でも安全衛生の基本として紹介されています。製造業だけでなく、医療や介護の現場でも広く応用されている考え方です。

つまり、表面化した事故の下には膨大なヒヤリハットが隠れています。逆に言えば、300のヒヤリハットの段階で芽を摘めば、重大事故そのものを未然に防げるということです。送迎は利用者の命をお預かりする業務だからこそ、この視点が欠かせません。

介護施設の送迎で起こりやすいヒヤリハットの例

まずは、どんな場面でヒヤリハットが起きやすいかを共有しておくことが第一歩です。送迎の現場では、次のようなケースがよく見られます。

▶ 乗降時
足元のふらつきで転びそうになった、ドアに手や衣服が挟まりそうになった、ステップを踏み外しかけた。

▶ 走行中
シートベルトの締め忘れに発車後に気づいた、住宅街で歩行者や自転車が急に出てきた、後退時に死角の障害物に気づきにくかった。

▶ 利用者対応
認知症の利用者が走行中にシートベルトを外そうとした、車内で急に体調が変化した、降車場所を間違えそうになった。

これらは「たまたま何も起きなかった」だけで、条件が重なれば事故につながりかねません。一人のドライバーの経験を、施設全体の学びに変えていくことが大切です。

ヒヤリハットを事故予防に活かす3つのステップ

1. 集める|報告しやすい仕組みをつくる

まずはヒヤリハットを表に出すことです。専用の報告様式(日時・場所・状況・原因・気づき)を用意し、短時間で書ける形にします。このとき最も重要なのは、報告した人を責めないこと。「報告すると叱られる」と感じる職場では、ヒヤリハットは隠れてしまい、かえって危険です。

2. 共有する|現場の学びにする

集めたヒヤリハットは、朝礼や終礼、ドライバーミーティングで共有します。「こんな場面があった」と具体的に伝えることで、ほかのドライバーが同じ状況に出会ったときに備えられます。共有を研修の題材にするのも効果的です。研修の組み立て方は送迎ドライバー研修の作り方もご参考ください。

3. 改善する|原因を分析し手順に反映する

共有して終わりではなく、「なぜ起きたか」を分析し、対策を手順やルートに反映します。危険を予測して対策を立てるKYT(危険予知訓練)の考え方を取り入れると、現場に定着しやすくなります。ドライブレコーダーの映像は、ヒヤリハットの客観的な振り返り材料として役立ちます。活用方法は送迎車のドライブレコーダー導入ガイドで詳しく解説しています。

仕組みを根づかせるためのポイント

ヒヤリハット活動は、一度始めても形だけになりがちです。続けるためには、報告の件数を競うのではなく、出てきた情報を確実に改善へつなげる流れをつくることが大切です。月に一度は振り返りの場を設け、対策が機能しているかを確認しましょう。

また、ヒヤリハットを軽視した結果として実際の事故が起きれば、施設が法的責任を問われることもあります。送迎事故で施設に問われる責任については介護施設の送迎事故の裁判例に学ぶリスク管理でも解説しています。日々の小さな気づきを積み重ねることが、利用者と施設の双方を守ることにつながります。

送迎の安全管理の仕組みづくりはトリニードカイゴへ

ヒヤリハットの収集・共有・改善は、仕組みとして回し続けて初めて効果を発揮します。とはいえ、日々の業務に追われるなかで、ゼロから体制を整えるのは簡単ではありません。トリニードカイゴは、運行管理者資格と送迎ドライバーの実務経験を併せ持つコンサルタントが、横浜を中心に神奈川県内の介護施設の送迎安全管理をサポートしています。「ヒヤリハットの仕組みをどうつくればいいか分からない」という段階からでも、現場に合った形でご提案します。お気軽にご相談ください。

送迎の安全管理・ヒヤリハットの仕組みづくりのご相談

運行管理者資格+送迎ドライバー実務経験のコンサルタントが、横浜を中心に神奈川で対応します

お問い合わせはこちら

サービス・費用の詳細はこちら