送迎ドライバー研修の作り方|内容と進め方を解説

トリニードカイゴ

「送迎ドライバーの研修をやらなきゃいけないのはわかっているけど、何を教えればいいの?」——これはデイサービスの管理者からもっとも多く寄せられる相談のひとつです。送迎ドライバー研修は、道路交通法と労働安全衛生法の観点から実施が求められており、研修内容は「安全運転」「利用者対応」「緊急時対応」「法令遵守」の4本柱で構成するのが基本です。この記事では、研修に盛り込むべき項目と実施のコツを具体的に解説します。

 

そもそも送迎ドライバー研修は義務なのか?

法令上の根拠と行政指導の実態

デイサービスの送迎車は、道路運送法上の「有償運送」には該当しないため、旅客自動車運送事業のような厳格な研修義務は課されていません。しかし、道路交通法第74条の3に基づき、車両を5台以上(自動二輪車は0.5台換算)使用する事業所は安全運転管理者を選任し、運転者への安全教育を実施する義務があります。

また、横浜市をはじめとする自治体の実地指導や行政監査では、送迎業務に関する研修記録の有無が確認されるケースが増えています。「研修を実施していない」ことが指摘事項になることもあるため、記録を残す形での定期的な研修は事実上の必須事項と考えてください。

 

送迎ドライバー研修に盛り込むべき4つの項目

トリニードカイゴ
  • ①安全運転の基本とルールの再確認

    ▶ 「わかっているはず」が一番危ない
    送迎ドライバーの多くは普通免許のみで運転しており、プロドライバーとしての教育を受けた経験がないケースがほとんどです。研修では、交差点の安全確認、バック走行時の確認手順、速度管理、車間距離の取り方など、基本中の基本を改めて確認します。「当たり前のこと」をあえて言語化し、全員で共有することが事故防止の第一歩です。

  • ②利用者対応(乗降介助・車いす固定)

    送迎ドライバーは「運転するだけ」ではなく、利用者の乗降介助も担います。車いすの固定方法、シートベルトの補助、歩行が不安定な方の手引き介助など、介護に関わる最低限の知識と技術を研修に含めましょう。利用者の転倒・転落事故は送迎業務のトラブルで最も多いカテゴリーであり、ここの教育が手薄なまま現場に出すのは大きなリスクです。

  • ③緊急時の対応手順

    送迎中に事故が起きた場合、ドライバーは何をすべきか。研修では以下の優先順位を明確に伝えてください。
    ・負傷者の安全確保と救護
    ・警察への通報(道路交通法第72条)
    ・施設管理者への連絡
    ・利用者のご家族への連絡
    ・事故状況の記録(写真・メモ)
    「パニックになって何もできなかった」という事態を防ぐためには、この手順を繰り返し確認し、可能であればロールプレイ(模擬演習)を取り入れるのが有効です。

  • ④法令遵守事項(アルコールチェック・日常点検)

    道路交通法施行規則の改正により、2023年12月以降、安全運転管理者によるアルコール検知器を用いた酒気帯び確認が義務化されました。研修では、アルコールチェックの正しい実施方法と記録の残し方を共有します。あわせて、道路運送車両法第47条の2に基づく日常点検の実施手順も確認しましょう。
    ▶ 関連記事:デイサービス送迎車の日常点検|チェック項目と正しいやり方

 

研修を「やりっぱなし」にしないためのコツ

研修記録を書面で残す

研修を実施したら、日時・内容・参加者名・講師名を記録した研修実施記録を必ず作成・保管してください。行政監査ではこの記録の有無が問われます。書式は自由ですが、最低限「いつ・何を・誰が受けたか」が明確にわかるものにしましょう。

年2回以上の定期実施を目安に

研修は一度やって終わりではなく、定期的に繰り返すことで効果が出ます。最低でも年2回、可能であれば季節ごと(夏の熱中症対策、冬の凍結・積雪対策など)にテーマを変えて実施するのが理想です。

コンサルティング費用を見る

 

送迎ドライバー研修の設計はトリニードカイゴへ

トリニードカイゴは、運行管理者資格と送迎ドライバー実務経験を持つコンサルタントが、施設の実情に合わせた研修プログラムの設計から実施まで支援します。「何を教えればいいかわからない」「研修資料を作る時間がない」という管理者の方も、まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら