「うちの施設は送迎車が何台あるけど、安全運転管理者って必要なの?」──デイサービスや通所介護施設の管理者の方から、この質問を非常に多くいただきます。結論から言えば、送迎車を5台以上使用している施設は、道路交通法に基づき安全運転管理者を選任する義務があります。選任していない場合は50万円以下の罰金という罰則も定められています。この記事では、安全運転管理者制度の基本と、介護施設が実務で押さえるべきポイントを解説します。
安全運転管理者制度とは|根拠法と対象事業所
安全運転管理者制度は、道路交通法第74条の3に基づき、一定台数以上の自動車を使用する事業所に対して、安全運転の確保に必要な業務を行う責任者の選任を義務づける制度です。対象となるのは自家用自動車(白ナンバー)を使用する事業所で、介護施設の送迎車はまさにこれに該当します。
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誰を選任できるか|資格要件
安全運転管理者には、道路交通法施行規則第9条の9に定められた以下の要件を満たす方を選任する必要があります。
▶ 年齢:20歳以上(副安全運転管理者を選任する事業所の場合は30歳以上)
▶ 経験:自動車の運転管理に関して2年以上の実務経験(公安委員会の教習修了者は1年以上)
▶ 欠格事由なし:過去2年以内に飲酒運転・ひき逃げ等の重大違反がないこと
介護施設の場合、施設長や管理者がそのまま安全運転管理者を兼務するケースが多いですが、運転管理の実務経験が2年以上あることが要件です。「施設長だから自動的に選任できる」わけではない点に注意してください。
届出は15日以内に管轄警察署へ
安全運転管理者を選任したら、選任日から15日以内に事業所を管轄する警察署の交通課を経由して公安委員会に届け出ます(道路交通法第74条の3第5項)。届出には「安全運転管理者に関する届出書」と、資格要件を証明する書類が必要です。横浜市内であれば、各区を管轄する警察署の交通課が窓口になります。
選任しなかった場合の罰則
安全運転管理者を選任しなかった場合、道路交通法に基づき50万円以下の罰金が科されます。また、届出を怠った場合は5万円以下の罰金です。2022年10月の道路交通法改正で罰則が厳罰化され、法人に対しても同額の両罰規定が適用されるようになりました。
さらに、2022年4月からは安全運転管理者の業務としてアルコールチェックの実施と記録の保存が義務化されています。これは、2021年6月に千葉県八街市で発生した飲酒運転による児童死傷事故を受けた改正です。介護施設の送迎でも、運転前後のアルコールチェックは必須の業務になっています。
安全運転管理者の主な業務|介護施設で求められること
安全運転管理者の業務は道路交通法施行規則第9条の10に定められており、主に以下の内容です。
▶ 運転者の適性・技能・知識の把握
送迎ドライバーの免許更新状況、違反歴、健康状態を定期的に確認します。
▶ 運行計画の作成
送迎ルートの安全性を考慮した運行計画を策定し、過労運転の防止に配慮します。
▶ 運転前後のアルコールチェック
目視確認に加え、アルコール検知器を使用した確認と記録の保存が義務づけられています。
▶ 異常気象時の措置
台風や積雪など安全な運転が確保できない状況では、運転者への指示や送迎中止の判断を行います。
▶ 安全運転教育の実施
国家公安委員会の「交通安全教育指針」に基づく安全運転教育を実施します。送迎ドライバーへの研修の進め方については日常点検の記事もあわせてご覧ください。
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