
夏の送迎で、「車内が暑くて利用者が熱中症にならないか」と不安に感じる施設管理者の方は少なくありません。高齢の利用者は暑さの影響を受けやすく、送迎車の車内は短時間でも危険な温度まで上がります。「うちの夏の送迎、このままで大丈夫だろうか」——本記事では、運行管理者資格と送迎ドライバーの実務経験を持つトリニードカイゴが、夏の送迎で押さえておきたい車内の熱中症対策を、施設の管理者向けにわかりやすく解説します。
なぜ送迎車内の熱中症に注意が必要なのか
高齢者は、加齢にともなって体温調節の機能が低下し、暑さやのどの渇きを感じにくくなるといわれています。そのため、本人が「暑い」「水分をとりたい」と気づく前に、体に熱がこもってしまうことがあります。介護施設の利用者は、こうした熱中症のリスクが高い方が多いという前提で送迎を考える必要があります。
また、熱中症は気温だけでなく湿度の影響も大きく、同じ気温でも湿度が高いほど熱中症になりやすいとされています。梅雨明けの蒸し暑い時期から残暑まで、油断できない期間が長く続く点にも注意が必要です。
車内温度は短時間で危険なレベルまで上がる
送迎車の車内は、エアコンを止めると驚くほど早く高温になります。JAF(日本自動車連盟)の検証では、エアコンを停止してからわずか15分ほどで、熱中症の危険度を示す指数が危険なレベルに達したと報告されています。直射日光の当たる場所に駐車していれば、車内温度はさらに急上昇します。これは送迎に使われるバスやミニバンでも同様です。
▶ 短時間でも、利用者を車内に残さない
「少しの間だから」とエンジンを切った車内に利用者を待たせるのは危険です。JAFも、短時間であっても子どもや高齢者を車内に残さないよう注意を呼びかけています。ドライバーが施設や利用者宅へ対応している間、車内に人を残さない運用を徹底しましょう。
夏の送迎で施設が取るべき対策
乗車前に車内を冷やしておく
利用者が乗り込む前に、あらかじめエアコンで車内を冷やし、こもった熱を換気で逃がしておきます。炎天下に駐車していた車は、乗車前のひと手間で車内環境が大きく変わります。
水分補給と体調観察をこまめに
送迎の前後や乗車中に、無理のない範囲で水分をとってもらえるよう声かけをします。あわせて、顔色が悪くないか、汗のかき方がおかしくないか、ぐったりしていないかなど、乗車中の様子を観察することが早期発見につながります。利用者自身が不調を訴えにくいことを前提に、ドライバーや添乗員が気づける体制をつくることが大切です。
送迎計画そのものを見直す
猛暑の時期は、送迎ルートや順番、待機時間の設計も熱中症対策の一部です。乗車時間が長くなりすぎないルートにする、車内で長く待たせる状況を作らない、必要に応じて添乗員を配置するなど、計画の段階でリスクを減らせます。ヒヤリハットの共有で気づきを積み重ねる仕組みは送迎のヒヤリハットを事故予防に活かすも参考になります。
▶ 体調の急変にはためらわず対応を
めまい・けいれん・意識がはっきりしないなど、熱中症が疑われる症状が見られたら、涼しい場所へ移して体を冷やし、水分をとれる状態か確認します。応答がおかしい、症状が重いと感じる場合は、ためらわず救急要請を行ってください。送迎中の急なトラブルへの備えは送迎中に事故が起きたら?管理者が取るべき対応手順もあわせてご確認ください。
夏の安全な送迎体制づくりはトリニードカイゴへ
夏の送迎の熱中症対策は、個々のドライバーの心がけだけに任せるのではなく、乗車前の冷却・水分補給・体調観察・送迎計画といった手順を、施設全体のルールとして標準化しておくことが大切です。そうすることで、どのドライバーが担当しても一定の安全水準を保てます。トリニードカイゴは、運行管理者資格と送迎ドライバーの実務経験をもとに、横浜を中心に神奈川県内の介護施設の送迎ドライバー管理をサポートしています。夏の送迎の安全対策やドライバー教育の仕組みづくりにお悩みの際は、お気軽にご相談ください。


