
「次の運営指導で送迎業務の何を見られるのか不安」「送迎記録だけ揃えておけば大丈夫?」——令和4年度に「実地指導」から「運営指導」へ名称変更されて以降、厚生労働省の標準確認項目に沿った指導が全国で進み、送迎業務まわりの記録・体制が以前より細かく確認されるようになっています。本記事では、横浜市を中心にデイサービス送迎の運行管理コンサルティングを行うトリニードカイゴが、行政の運営指導で送迎業務に関して指摘されやすいポイントを整理してお伝えします。
運営指導で送迎業務が確認される理由
厚生労働省は令和4年3月に「介護保険施設等運営指導マニュアル」を公表し、運営指導の標準化を進めています。送迎業務はサービス提供そのものではないものの、利用者の安全に直結し、加算算定や同一建物減算の対象判断にも関わるため、運営指導の確認項目に組み込まれています。
とくに通所介護(デイサービス)では、送迎の有無・態様が報酬請求の根拠になるため、記録の整合性が重視されます。記録の不備は返還命令や監査移行のきっかけにもなり得るため、日常的に整備しておくことが重要です。
送迎業務で指摘されやすい7つのポイント
①送迎記録の不備・記載漏れ
もっとも指摘が多いのが送迎記録です。乗車時刻・降車時刻・運転者・同乗職員・利用者氏名・車両番号などの基本項目が抜けていたり、サービス提供記録と時刻が一致しないケースが代表例です。月単位で点検し、欠落があれば翌営業日までに補記する運用が望まれます。
②同一建物減算の判断ミス
同一建物・同一敷地内の利用者に対する送迎の取扱いは、運営指導の標準確認項目にも含まれます。同一建物に居住する利用者で送迎が必要と認められない場合は減算対象になるため、根拠(身体状況・移動距離・経路の安全性など)を記録に残しておく必要があります。
③点呼・アルコールチェック記録の欠落
白ナンバー事業者にもアルコールチェックが義務化されて以降、送迎ドライバーの点呼・酒気帯び確認記録は必ず確認される項目になっています。記録は1年間の保存義務があり、確認方法・時刻・確認者・結果を残します。詳しくはアルコールチェック義務化とは?もご参考ください。
④安全運転管理者の選任・業務実施の不備
乗車定員11人以上の自動車1台、または定員に関わらず自動車5台以上を使用する事業所は、道路交通法第74条の3に基づき安全運転管理者の選任義務があります。選任届の提出有無、講習受講状況、点呼実施記録までセットで確認されます。安全運転管理者の選任義務とは?もあわせてご確認ください。
⑤車両の日常点検・整備記録の不在
道路運送車両法に基づく日常点検は、使用者(事業所)の義務です。点検記録簿が用意されていない、記録が形骸化している(毎日同じ筆跡・同じ時刻)といった指摘も多く見られます。デイサービス送迎車の日常点検に詳しい運用方法をまとめています。
⑥事故対応マニュアル・連絡体制の未整備
送迎中の事故・体調急変時の対応手順、家族・主治医・施設管理者への連絡フロー、保険会社への通報手順などをまとめたマニュアルが整備されているかも確認対象です。マニュアルがあっても、最終更新日が古い・スタッフへの周知ができていないと指摘されます。
⑦ドライバーの研修・健康管理記録
送迎ドライバーへの定期研修、健康診断結果の確認、就業前の健康状態チェックなどの記録不足も指摘事項として上がります。とくに高齢のドライバーが多い事業所では、視野・反応速度・服薬状況の把握が重視されます。
指摘を未然に防ぐ運用のコツ
▶ 月次の自主点検を仕組み化する
月末に送迎記録・点呼記録・点検簿の3点セットをチェックリストで確認するだけで、欠落や記載漏れの大半は防げます。
▶ 標準確認項目を逆引きで使う
厚労省マニュアルの標準確認項目は、行政が見るチェックリストそのものです。これを自所の運用に落とし込み、書類のフォーマットと一対一で対応させておくと指導当日も慌てずに済みます。
▶ 第三者の目を入れる
内部点検だけでは見落としが発生します。運行管理の専門家による外部点検を年1回でも入れることで、指摘リスクを大きく下げられます。
送迎業務の運営指導対策はトリニードカイゴへ
運営指導を控えていて送迎業務の体制に不安がある——そんなときは、運行管理者資格と送迎ドライバー実務経験を持つコンサルタントが在籍するトリニードカイゴへご相談ください。横浜市を中心に神奈川県内のデイサービス施設様の送迎業務を、記録の整備から運転者教育、事故対応マニュアル整備まで一貫してサポートします。


