
「送迎ドライバーが70代後半に差し掛かり、安全面と更新手続きの両面で悩んでいる」「次のドライバーが見つからず、欠員のたびに管理者が代行している」――こうしたご相談が、横浜市内のデイサービス管理者の方から増えています。介護施設の送迎ドライバー職は、定年退職後の方が活躍することの多いポジションだけに、高齢化と人材確保は表裏一体の課題です。本記事では、運行管理者資格と送迎ドライバー実務経験を持つトリニードカイゴが、介護施設が今すぐ取れる5つの対策を整理してお伝えします。
なぜ介護施設の送迎ドライバーは高齢化するのか
介護施設の送迎業務は、道路運送法上「許可又は登録を要しない運送」に分類されており、第二種運転免許は不要です。国土交通省のガイドラインでも、デイサービス等の送迎は自家輸送に位置づけられ、普通自動車第一種運転免許のみで運転可能とされています。
そのため、「タクシー・バス会社を定年退職した方」や「現役時代に運転業務に長く携わった方」が、第二の職場として選びやすい業務になっています。結果として60代後半〜70代のドライバーが多くなり、施設側も「ベテランの安心感」を理由に長く雇用するケースが少なくありません。
75歳以上のドライバーが直面する免許更新の壁
75歳以上の方の運転免許更新では、通常の高齢者講習に加えて、認知機能検査が義務化されています(道路交通法)。検査項目は「手がかり再生」と「時間の見当識」の2つで、警察庁が定める基準に沿って実施されます。
さらに、過去3年間に信号無視・通行区分違反などの一定の違反歴がある方は、運転技能検査にも合格しなければ更新できません。これらの検査・講習は、運転免許証の更新期間満了日前6ヶ月以内に受けないと、更新手続き自体ができない仕組みです。
施設としては、ドライバーの誕生月と更新時期を把握し、検査・講習の受講予定を事前に共有しておく必要があります。送迎ドライバーの健康管理と点呼でも触れている健康チェックと併せて、年齢ベースでの管理体制を整えることが第一歩です。
介護施設が取るべき5つの対策
① ドライバー年齢の見える化と更新スケジュール管理
まずは現役ドライバーの年齢・免許更新月・認知機能検査の受講予定を一覧化します。70歳以上のドライバーが複数名いる施設では、更新時期が集中して欠員が出る前に、次の採用計画を立てておくのが現実的です。
② 「半日勤務・週3日」など働きやすい雇用形態の用意
フルタイム雇用は若年層には魅力に映りにくい一方、60〜70代の元職業ドライバー層には、午前送迎のみ・午後送迎のみといった半日・週3日の勤務形態が選ばれやすい傾向があります。雇用形態を細かく設計することで、人材プールを広げられます。
③ ドライバー業務と介護補助業務の切り分け
送迎時の利用者の乗降介助・車内見守りは介護スキルが求められる一方、純粋な「運転」だけを切り出すと、未経験者でも採用しやすくなります。ドライバーと添乗員(介護スタッフ)を別配置にする運用は、安全性向上と人材確保の両立に有効です。
④ ドライブレコーダーと運行記録のデジタル化
高齢ドライバーが多い施設ほど、運転状況の可視化が重要です。送迎車のドライブレコーダー導入ガイドで紹介しているように、急ブレーキ・急ハンドルの記録を月次で振り返ることで、ドライバー本人の「これは続けられない」という気づきも生まれやすくなります。
⑤ 外部委託の選択肢を持っておく
自前雇用での人材確保が限界に達した場合、送迎業務を外部に委託する選択肢もあります。委託のメリット・デメリットは送迎業務の外部委託と自前運営、どちらが良い?で詳しく解説しています。一部車両だけ外部委託する「部分委託」も現実的な選択肢です。
採用ルートを広げる工夫
新規ドライバーの採用は、求人媒体だけでなく地域の人材ネットワークを活用することで成約率が上がります。具体的には、シルバー人材センター、地元のドライバー経験者コミュニティ、職業訓練校・自動車学校との連携などです。横浜市のように高齢者人口の多いエリアでは、シニア向け求人媒体への掲載が反応を得やすい傾向があります。
同時に、施設としての魅力を発信することも重要です。「研修制度がある」「事故対応マニュアルが整備されている」「点呼が形骸化していない」といった、ドライバー目線で安心して働ける環境であることを募集要項に明記することで、応募の質が変わります。
送迎ドライバー管理のご相談はトリニードカイゴへ
送迎ドライバーの高齢化と人材確保は、デイサービス・通所介護施設の経営に直結する課題です。トリニードカイゴは運行管理者資格と送迎ドライバー実務経験を持つコンサルタントが、横浜市を中心とした神奈川県内の介護施設に対し、ドライバー管理体制の整備をご支援しています。雇用形態の設計、運行記録のデジタル化、外部委託の判断まで、現場に即したアドバイスが可能です。お気軽にご相談ください。


